2024年3月13日水曜日

九替十年色地獄 その47

P22P23 国文学研究資料館蔵

P22

(読み)

「さきの与ハ

 さきのよは


ゑい\/由きの

えいえいゆきの


由うべの与多可と

ゆうべのよたかと


奈りこの与ハあさ

なりこのよはあさ


めし可゛飛る尓

めしが ひるに


奈るとも多゛ん奈へ

なるともだ んなへ


多゛ん奈於可ミさん

だ んなおかみさん


まゝの可王で

ままのかわで


於す

おし


袮へ

ねぇ


「王つちやァ

 わっちゃあ


ちつと

とっと


袮可゛ひの

ねが いの


すじ可゛

すじが


ち可゛ふ

ちが う


金奈ら

かねなら


多つ多

たった


六 十  可

ろくじゅうか


七 十  里やう

ななじゅうりょう

(大意)

「先の世は働いても働いても、雪の夕べの夜鷹となって、昼に朝飯を食うような生活になっても、旦那や、主人・おかみさんのおもっているとおりそのままですねぇ

「わっちゃぁ、ちっと、願いの筋がちがう。金ならたった六十か七十両、

(補足)

「まゝの可王」、辞書には『ままのかわ ―かは 【儘の皮】

成り行きにまかせる以外に手だてのない意を表す語。ままよ。「それがつのると,はて〱はもうどうなつても―と」〈人情本・仮名文章娘節用〉』。ものの本には「ままの川(千葉県市川市の真間川)」の洒落とありましたが、どうも?

 京伝はこの頁、見開き一枚の錦絵・浮世絵のように三人の花魁を配置して描いています。このような絵になると本領発揮のようです。それにしても、左のふたりはテニスのフォアハンドの打ち合いをしていて、見事なフォームでもあります。着物柄も細かくきれい。


 

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