P16P17 国文学研究資料館蔵
P17
(読み)
「奈尓さ
なにさ
これても
これでも
可ら多ぢ うを
からだじゅうを
可本多゛と
かおだ と
思 へハへいきさ
おもえばへいきさ
於まんまの
おまんまの
可王り尓
かわりに
風 く春り
かぜぐすり
を多べれバ
をたべれば
可せも
かぜも
飛きんせん
ひきんせん
「ミ奈んす通 り
みなんすとおり
王つちと志多
わっちとした
於び者゛可り多゛可ら
おびば かりだ から
里やう个ん可゛
りょうけんが
奈らざァ
ならざぁ
くびでも
くびでも
もつて
もって
いき奈んし
いきなんし
者゛可らしひ
ば からしい
(大意)
「なにさ、これでも体中を顔だとおもえば平気さ。おまんまのかわりに風邪薬を食べれば、風邪もひかないよ
「見たとおり、わっちと下帯だけだから、気がすまないなら、首でも持っていきなんし。やってられないよ
(補足)
「可ら多ぢうを可本多゛と思へハ」、気持ちのよい啖呵です。わたしもどこかで使ってみよう。
「風く春り」「くびでも」、ここの「く」はカタカナ「ム」のようなかたち。
花魁ののうしろにある衣桁は漆に螺鈿をほどこした高価なものに見えます。なるほど借金がかさむわけです。肌に直接、斜にかけているものはお守り袋でしょうか。キップの良さそうな花魁です。借金がとりはたじたじ。
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