下P6P7 東京都立図書館蔵
下P7
(読み)
けんどん者゛ゝハ
けんどんば ばは
与くふ可起こと
よくふかきこと
ゆへま多゛奈んぞ
ゆへまだ なんぞ
多可らあらんと
たからあらんと
あと尓ひ起の
あとにひきの
こり个る可゛
こりけるが
志やうじ起可゛
しょうじきが
て可いのい奴尓
てかいのいぬに
くいころさるゝぞ
くいころさるるぞ
こゝちよ起
ここちよき
「けんとん者゛ゝつ年尓
けんどんば ばつねに
あくをこのミし由へ
あくをこのみしゆえ
ぼんのうのいぬ尓くい
ぼんのうのいぬにくい
ころさるゝつゝしむべしおそるべし
ころさるるつつしむべしおそるべし
(大意)
慳貪婆は欲深かったので、まだなにか宝があるのではないかと
あとに引き続き残ったのだが、正直夫婦が飼っていた犬に
食い殺されてしまったのだった。気分すっきりなことである。
慳貪婆はつねに悪を好んでいたため、煩悩の犬のたとえ通り、
犬に食い殺されてしまった。
慎みが肝心である。恐ろしいことであった。
(補足)
「こと」は「こ」と「と」を合体させた合字。「より」が「ゟ」のように他にもいくつかあります。
「ぼんのうのいぬ」、『煩悩の犬は追えども去らず⇒煩悩が人につきまとって離れないのを,犬がまといつくのにたとえた言葉』のこと。
隠れ蓑に隠れ笠を奪って逃げる鬼が丸見えです。何か呪文が必要なのかもしれませんが、見えなくなってはさすがの北斎でも描くことは難しかったのかもしれません。
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