下P2P3 東京都立図書館蔵
下P2
(読み)
「さるハ又 さる里可うを多゛しやる奈
さるはまたさるりこうをだ しやるな
可うしんさ満を多゛いし尓して
こうじんさまをだ いじにして
ミざるき可ざるい王さるを
みざるきかざるいわざるを
和すれず志ん尓よのつ起尓
わすれずしんにょのつきに
てをちゞめこゝろの多ず奈
てをちじめこころのたずな
をくゝりざる尓し多可゛よい
をくくりざるにしたが よい
「きじハ三 十 六 可せんの
きじはさんじゅうろっかせんの
や可もちのう多を
やかもちのうたを
思 ひきじも
おもいきじも
奈可ずバう多れ
なかずばうたれ
ましといふ
まじという
こと王ざ
ことわざ
を和すれ
をわすれ
まいぞや
まいぞや
「いぬハこつち尓いるもの奈れバ
いぬはこっちにいるものなれば
ゆる\/とおしへ
ゆるゆるとおしえ
ませ う
ましょう
(大意)
「猿は、よいか、小賢しさを出すでないぞ。庚申様を大事にして
見猿聞か猿言わ猿を忘れず、余計なことには手を出さず、
心の手綱をしっかりと括(くく)っておくことが大切じゃ」
「雉は、三十六歌仙の家持の歌のように故郷を大切にし、
雉も鳴かずばうたれまじの諺を忘れず、無用なことは慎むのじゃ」
「犬はわしと一緒に住むのであるから、
ゆっくりと教えよう」
(補足)
「猿利口」、辞書にないだろうとおもったら「こざかしいこと」とありました。なんでも調べて見るものです。
「庚申様」、三猿(さんえん)の形を刻んだ青面金剛像(しょうめんこんごうぞう)で祀られた神様。悪霊災厄退散の神様。
「真如の月」、『〘仏〙 真如が一切の迷いを破ることを月が闇を照らすのにたとえた言葉』とありました。
正直爺さんがこれからの人生訓を教えているところ。
什器があっさりと描かれています。右端の燗銅壺ににた燗徳利を入れておくようなものがあります。角が丸くなっていてなかなかの高級品。
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