下P6P7 東京都立図書館蔵
下P6
(読み)
けんどん者゛ゝハ
けんどんば ばは
あるやミの与尓
あるやみのよに
於尓どもを
おにどもを
とも奈ひ
ともない
可つてお本゛へし
かっておぼ えし
和可゛さと奈連バ
わが さとなれば
あん奈い
あんない
して志の
してしの
びいり
びいり
可く連可゛さ
かくれが さ
かくれミの
かくれみの
うちでの
うちでの
こづち尓し
こづちにし
きのま起もの尓
きのまきものに
およびきん\゛/
およびきんぎ ん
へいせんを
べいせんを
う者゛ひ
うば い
お尓可゛し満へ
おにが しまへ
多ち可へる
たちかえる
ふて起
ふてき
奈り个る
なりける
お尓ども
おにども
奈り
なり
(大意)
慳貪婆は、ある闇の夜に鬼どもをともない、
以前住んでいた我が里であったので、
案内導き、忍び入り、隠れ笠・隠れ蓑・打出の小槌・錦の巻物に、
さらに金銀・米銭を奪い、鬼ヶ島へ立ち帰った。
大胆で恐れを知らぬ鬼どもであった。
(補足)
「あるやミの与尓」、「ミ」の形がおかしい。変体仮名「美」「見」でもないし・・・
「可く連可゛さかくれミの」、「く」が「ム」のような形のものもおおい。
「へいせんを」、「へ」が「つ」にみえますし、「へいせん」の意味が不明、しばし考え濁点を付けて「べいせん」米と銭と納得。
蔵の窓の左脇に、蔵にはほとんど必ず付いている折釘(おれくぎ)が描かれています。丸く盛り上がっている部分は饅頭などと呼ぶそうです。釘は蔵の構造柱まで打ち込んであるので錆が侵入しにくいようにこの饅頭で防ぐ工夫をしているとありました。蔵の壁は分厚い土壁ですから釘や手荒なことをすると割れて崩れてしまいます。蔵の修理のときにこの折釘を支えに足場を組んだり支えとしたりするためのものです。
以前、蔵を壊すところを見たことがあるのですが、相当な量の水をかけながら建前で使うような大きな木槌(かけや)で叩き壊すといった感じで、土壁にはもちろん竹で編んだ壁下地がありますのでとても大変です。木組みの構造が見えるまで徹底的に崩してました。
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