下P10 東京都立図書館蔵
(読み)
む可し\/ あつ多とさちゞいハやまへくさ
むかしむかしあったとさじじいはやまへくさ
可り尓者゛ゝアハ可王へせん多く尓可王より
かりにば ばあはかわへせんたくにかわより
奈可れてくるもゝ尓和可王くふう婦の中 尓
ながれてくるももにわかわぐふうふのなかに
まうけしもゝたろハこどもし由
もうけしももたろはこどもしゅ
御ぞんじの於尓可゛し満いぬさる
ごぞんじのおにが しまいぬさる
きじ可゛ち うしん者奈しち うハ
きじが ちゅうしんばなしちゅうは
(大意)
昔むかしあったとさ。爺いは山へ草刈りに、
婆アは川へ洗濯に行きました。川より流れてくる桃を
とって食べた夫婦は若やぎ、二人のあいだに桃太郎が生まれました。
お子様方はご存知の鬼ヶ島、犬猿雉の忠臣話の「忠」は
(補足)
最終頁になって、桃太郎発端話説の題のとおり、桃太郎昔噺の発端に戻りました。
残念ながら、字がどうも読みにくい。
「ちゞいハやまへ」、文字どうしがくっついていて判別しずらい。
「ふう婦の中尓」、漢字の「中」とわかるのにしばしかかりました。
「まうけしもゝたろハこどもし由」、この行全部、文字がボコボコしてわかりずらい。
桃を食べる前から元気そうなジジババにみえます。もともと山に芝刈り川へ洗濯へと行けたのですから元気だったのかもしれません。
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