2023年10月8日日曜日

桃太郎発端話説 その46

中P10 東京都立図書館蔵

(読み)

志多きり春ゞめハおと

したきりすずめはおと


といきやれとお者゛ゝを

といきやれとおば ばを


げち\/のとり阿川

げじげじのとりあつ


可い尓てあとへ志保を

かいにてあとへしおを


まく

まく


「てんとおもいつゞら多゛奈んでも

 てんとおもいつづらだ なんでも


このうち能多可らをせしめ

このうちのたからをせしめ


うるしとでゝとらや起

うるしとでてとらやき


さつまいものくいあ起を志ませ う

さつまいものくいあきをしましょう


「奈んとおれ可゛志うちハそで

 なんとおれが しうちはそで


可ゞミのあんじつの多゛んくん助

かがみのあんじつのだ んぐんすけ


もと起とミへやう可゛や

もどきとみえようが や

(大意)

 舌切雀はおととい来やがれと

お婆をげじげじ(憎まれ者)のように取り扱い、

あとから塩をまきました。

「ずいぶん重い葛籠だ。

この葛籠の中の宝をせしめ漆(せしめ(う)る(し)の言葉遊び)として、

どらやき・さつまいもを食い飽きるまで楽しもう。

「なんとわしの格好は、芝居の「姻袖鏡(こんれいそでかがみ)」の庵室(あんじつ)の段の軍助のようにみえるであろうな

(補足)

「志保」、しお(塩)ですが、字面からはどうも塩がおもいうかびません。

「姻袖鏡(こんれいそでかがみ)」は調べてみると「菊池大友姻袖鏡』(きくちおおとも こんれいそでかがみ」のことので、芝居では葛籠の中に姫が入っていたですが、お婆の葛籠の中は、お子様方はすでにご存知・・・

 

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