中P10 東京都立図書館蔵
(読み)
けんどん者゛ゝ
けんどんば ば
可゛よくの者り
が よくのはり
つゞらハつミの
つづらはつみの
於も起ことつ徒゛
おもきことつづ
ら与り波奈
らよりはな
者多゛し心 能よくの
はだ しこころのよくの
れん志゛やく尓つ奈可゛れて
れんじ ゃくにつなが れて
つミをつゞらととも尓
つみをつづらとともに
於い奴こどもし由
おいぬこどもしゅ
古ゝら可゛よいめのつけ
ここらが よいめのつけ
どころじや可゛てん可\/
どころじゃが てんかがてんか
(大意)
慳貪婆が葛籠を欲張ってもらった
罪はその葛籠より甚だしく重い。
心のままの欲深き心は背負紐につながれ、
罪を葛籠とともに背負っている。
子どもたちよ、このようなところに目をつけて、
人としての生き方を考えるのだよ、わかってくれたか、
どうだ、わかってくれたか。
(補足)
「於も起ことつ徒゛ら与り波奈者多゛し心能」、平仮名「た」のようにみえるのは変体仮名「於」(お)。「こと」は「こ」と「と」が一文字になった合字。次に「与り」がありますが、これは合字のフォントがあり「ゟ」です。平仮名「は」のようにみえるのは変体仮名「波」(は)。他にも変体仮名がいくつも使われています。
「つミをつゞらととも尓於い奴」、うまいいいまわしです。子どもたちに諭しているようで実は自分に、そしてまわり人々への呼びかけであります。
「れん志゛やく」、「連尺」は婆が仁王立ちになって葛籠を背負っているのに使っている紐。
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