2023年10月5日木曜日

桃太郎発端話説 その43

中P9 東京都立図書館蔵

(読み)

者゛ゝ

ば ば


「保う可しのこ可゛多奈でハ

 ほうかしのこが たなでは


奈い可゛のミこミやま奈ら

ないが のみこみやまなら


ハやうつゞら

はようつづら


をもらうて

をもろうて


可へりま志与

かへりましょ


「てんとふさ\/しい

 てんとふさふさしい


お者゛ゝじや

おば ばじゃ


「王しハ多つしや多゛

 わしはたっしゃだ


可ら春゛いぶんおもい

からず いぶんおもい


つゞら可゛よいてや

つづらが よいてや


「おちや

 おちゃ


阿可゛り

あが り


ませ

ませ

(大意)

婆「放下師が芸で小刀を呑み込んでみせるように、

わしの気持ちを呑み込んでくれるなら、

早く葛籠をもらって帰りたい」

「なんと厚かましいふてぶてしい婆じゃ」

「わしは達者だから、できるだけ重い葛籠がよいのじゃ」

「お茶をあがりませ」

(補足)

「保う可し」、放下師。大道芸の一種。中世から近世初期にかけて,放下師・放下僧と呼ばれる芸人の演じたもの。とありました。「保」は平仮名「ほ」の元字。

 四者の着物姿を描く線が流れるように柔らかいのが印象的です。雀たちはみな髷を結っているのがかわいらしい。

 

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