下P8P9 東京都立図書館蔵
下P8
(読み)
志やうじ起ふう
しょうじきふう
ふハお尓ゝ多可ら
ふはおににたから
をとられむ可しの
をとられむかしの
ふう起ひ起可へて
ふうきひきかえて
いまハもとの志
いまはもとのし
者゛のい本り尓引
ば のいおりにひき
こミふう婦ひん
こみふうふひん
くを志の起゛个る可
くをしのぎ けるが
あるひふう婦と
あるひふうふと
ろ\/とまどろミ
ろとろとまどろみ
个る尓ゆめとも
けるにゆめとも
奈くうつゝとも
なくうつつとも
なくさね可多
なくさねかた
あそんあらハ連
あそんあらわれ
給 ひ奈んじふ可う
たまいなんじふこう
尓して和さ王いを
にしてわざわいを
うく和連む可し
うくわれむかし
奈んぢ尓もゝをこひて
なんじにももをこいて
うゑを志の起゛多りそのおんを
うえをしのぎ たりそのおんを
(大意)
正直夫婦は鬼に宝を取られ、昔の豊かな生活に引きかえ、
今はもとの柴の庵(いおり)に目立たぬよう住むようになり、
夫婦は貧しさ苦しさをなんとかしのいでいた。
そんなある日夫婦がとろとろとまどろんでいると、
夢ともなく現(うつつ)ともなく、実方朝臣が現れていらっしゃった。
「なんじ不幸にして禍を受けました。わたしは昔なんじに桃を求めて飢えをしのぎました。その恩に(報いるため)
(補足)
「ひ起可へて」、「ひ」の最後が次に続いてしまっています。
「もとの」、「も」がずいぶんかすれてしまってます。
正直夫婦うとうとしながら、その吹き出しのでかいこと。囲炉裏の鉄瓶のデカさよりもすごい。
0 件のコメント:
コメントを投稿