下P8P9 東京都立図書館蔵
下P8
(読み)
い可んぞ奈んぢら可゛志やうじきを
いかんぞなんじらが しょうじきを
可んじ多満王さらんやゐんとく
かんじたまわざらんやいんとく
あ連バよう保うありしやく
あればようほうありしゃく
ぜんのいへ尓ハ可奈らすよけい
ぜんのいえにはかならずよけい
あり奈んぢら可゛春へ尓ハま多
ありなんじらが すえにはまた
大 ふう起の
だいふうきの
ミと奈るべし
みとなるべし
由め\/
ゆめゆめ
う多がふ
うたがう
事
こと
奈可れ
なかれ
とつげ
とつげ
給 ひすまん
たまいすまん
のすゞめとけし
のすずめとけし
とびさり給 ふ
とびさりたまう
「とひよ\/ \/
とひょとひょとひょ
とひよしやうじき
とひよしょうじき
お起よ志やう
おきよしょう
し起
じき
「志やうじき
しょうじき
フウ\/
ふうふう
ゴウ
ごう
\/
ごう
「志やうじきふう婦ハねごと
しょうじきふうふはねごと
尓まで志やうじ起奈事 を
にまでしょうじきなことを
いふ
いう
「お者゛ゝやひと尓可り多もの
おば ばやひとにかりたもの
ハ者やく可へして可し多
ははやくかえしてかした
ものハずいぶんおそく
ものはずいぶんおそく
とりやれや
とりやれや
志やうじ起
しょうじき
フウ
ふう
\/
ふう
(大意)
どうして汝らの正直を感じらっしゃらないということがあろうか。ひそかに徳を重ねればかならずよい報いをうけるものです。善行を積み重ねる家には必ずおもいかけぬ慶事があるのです。汝らの将来は、ふたたび大富豪の身の上となりましょう。ゆめゆめ疑うことなかれ」
と告げられて、数万羽の雀となって飛び去られました。
「とひよとひよとひよ、とひよ正直(爺)、お起よ正直(夫婦)」
正直ふうふうごうごう。
正直夫婦は寝言にまで正直なことを言う。
「お婆や、人に借りたものは早く返して、貸したものはできるだけ遅く返してもらうようにな。正直夫婦(ふうふ)う」
(補足)
「い可んぞ」、「如何(いか)にぞ」に同じ。『③ (反語に用いて)どうして…であろうか(…ない)』
雀に化している実方朝臣雀のお告げの場面。
「給ふ」、くずし字がバネのようにクルクルっと2重になってすぐに覚えられます。
「う多可゛ふ事」、「事」のくずし字は平仮名「る」のようなかたち。
「とひよ\/\/」、歌舞伎の下座音楽の一つ。鳥の鳴き声のものまねで、「暫(しばらく)」などの舞台で、花道から本舞台へ進むときなどに用いる、とものの本にはありました。
縁側にたてかけてある鋤(すき)。花咲爺のここほれワンワンでつかった鋤でしょうか。
噺がこんがらがってきてます、う〜ん。
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