2023年10月6日金曜日

桃太郎発端話説 その44

中P10 東京都立図書館蔵

(読み)

くんしハ人 の

くんしはひとの


ふくをよろ

ふくをよろ


こんでうら

こんでうら


やむの心

やむのこころ


奈し

なし


可るがゆへ

かるがゆえ


尓おのれ

におのれ


多つせんと

たっせんと


本つしてまづ人 を

ほっしてまずひとを


多つす志やうじん

たっすしょうじん


ハ人 のふくを尓くん

はひとのふくをにくん


でむさ本゛らんとす

でむさぼ らんとす


このゆへ尓ぜんを

このゆえにぜんを


とふざけて

とうざけて


けんを尓くむ

けんをにくむ

(大意)

 君子は人の幸福を喜んで羨む心はない。

それゆえ、自分が物事を達成させたいというおもいは

まず他人の成就を願う。

 小人は他人の幸福を羨んで欲しがろうとする。それゆえに

善を遠ざけ賢い人を憎む。

(補足)

「かるがゆえに」、「かあるがゆえに」の転。それゆえに。そういうわけで。

この部分、ものの本には『論語』「雍也(ようや)」からのもじりとあり、調べてみましたが不明でした。

 「中」の締めなので、お子様方にちょっとは教訓的なことをとかたぐるしいはじまりです。

 

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