P26前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
登組 附 个る尓互 尓組 川゛本ぐれつし天遂 尓
くミつき 多可゛ひ くん つい
とくみつきけるにたが いにくんず ほぐれつしてついに
石 間越ふミ者づし天海 の中 尓ま路び落 多
いしま うミ 奈可 おち
いしまをふみはずしてうみのなかにまろびおちた
里両 人 刀 を抜 持 天首 と首 と尓阿てつゝうん
里やう尓ん可多奈 ぬきもち くび くび
りりょうにんかたなをぬきもちてくびとくびとにあてつつうん
とひと聲 さけび奈可゛ら尓可き落 し多れ者゛二 ツ
こゑ 於と ふ多
とひとこえさけびなが らにかきおとしたれば ふたつ
(大意)
(五郎にむず)と組み付くと、互いに組んずほぐれずしてついに
岩場をふみはずして海の中へ転び落ちて
しまった。二人は刀を抜き持って、互いの首にあてると「うん」
とひと声叫びながらかき落とし、ふたつ
(の首は)
(補足)
いよいよ講談調の語りも盛り上がってきました。
「組川゛本ぐれつし天」、「川」に濁点「゛」がついて変な感じですが変体仮名「川」(つ)。次の行「ふミ者づし天」では平仮名「つ」に「゛」。
「阿てつゝうんとひと声」、読みづらいところです。
「さけび奈可゛ら尓可き落し多れ者゛」、ここもちょっと読みづらい。
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