2022年3月21日月曜日

桃山人夜話巻五 その43


P26前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

登組 附 个る尓互   尓組 川゛本ぐれつし天遂 尓

 くミつき   多可゛ひ くん        つい

とくみつきけるにたが いにくんず ほぐれつしてついに


石 間越ふミ者づし天海 の中 尓ま路び落 多

いしま       うミ 奈可    おち

いしまをふみはずしてうみのなかにまろびおちた


里両  人 刀  を抜 持 天首 と首 と尓阿てつゝうん

 里やう尓ん可多奈 ぬきもち くび くび  

りりょうにんかたなをぬきもちてくびとくびとにあてつつうん


とひと聲 さけび奈可゛ら尓可き落 し多れ者゛二 ツ

   こゑ          於と     ふ多

とひとこえさけびなが らにかきおとしたれば ふたつ


(大意)

(五郎にむず)と組み付くと、互いに組んずほぐれずしてついに

岩場をふみはずして海の中へ転び落ちて

しまった。二人は刀を抜き持って、互いの首にあてると「うん」

とひと声叫びながらかき落とし、ふたつ

(の首は)


(補足)

いよいよ講談調の語りも盛り上がってきました。

「組川゛本ぐれつし天」、「川」に濁点「゛」がついて変な感じですが変体仮名「川」(つ)。次の行「ふミ者づし天」では平仮名「つ」に「゛」。

「阿てつゝうんとひと声」、読みづらいところです。

「さけび奈可゛ら尓可き落し多れ者゛」、ここもちょっと読みづらい。


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