P25前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
を切 春天又重 越も返 須刀 尓討 者多さんとしつ
きり ま多しげ 可へ 可多奈 うち
をきりすてまたしげをもかえすかたなにうちはたさんとしつ
連ども足 者゛や尓逃 天山 中 尓隠 れり五郎 ハ小
阿し 尓げ さんち う 可く こらう こ
れどもあしば やににげてさんちゅうにかくれりごろうはこ
三 太 可゛首 越可き切 天片 手尓血刀 をさげいづ
さん多゛ くび きり 可多て ち可゛多奈
さんだ が くびをかききりてかたてにちが たなをさげいず
こ迄 もと又重 越追 可くる追ハれ天又重 かくれも
まで ま多しげ 於つ 於 ま多しげ
こまでもとまたしげをおっかけるおわれてまたしげかくれも
やら須゛ふ多ゝび出 天阿しらひし可゛い可ゝし多り个ん五郎
いで ごらう
やらず ふたたびいでてあしらいしが いかがしたりけんごろう
(大意)
を切り捨て、又重をも返す刀で討ち果たそうとした
が、又重は足早に逃げて山中に隠れた。五郎は小
三太の首をかき切って、片手に血刀をさげ、どこ
までもと又重を追いかける。追われて又重は隠れ
きれずに再び出て相手をしたが、どうたことだろうか、五郎
(補足)
久しぶりの講談調子になってきました。やはりこのほうがおもしろい。
変体仮名「春」(す)と「須」(す)の使い分けは、詳しく調べればありそうな気がしますが、読んできた感じでは気分次第なのではないかと。
「刀(可多奈)」、最後の行に「刃(やい者゛)」があります。「刃を研ぐ」、「刀の刃がかける」の例のように、刃は刀の薄く鋭くして斬ることができるようにしてある部分。でも使い方は刃は刀の一部分には違いないので、刀の意味で使われているみたい。
「又重越追可くる」、「可へる」と読んでしまいました。
「阿しらひし可゛い可ゝし多り个ん」、「し」を読みとばしそう。「ゝ」も。
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