2022年3月25日金曜日

塩賣文太物語上 その1

表紙 国立国会図書館蔵

(読み)

塩 賣

し本うり

しおうり


文 太

ふん多゛

ぶんた


物 語  上

もの可多り

ものがたり


(大意)

(補足)

この本の奥付には「寛延二年巳正月」とありますのでグレゴリオ暦1749年2月(17日)です。

正月とあるのは、版元は正月に合わせて出版販売するのが通例だったためです。絵本です。

「賣」は「士」+「買」。売るのにどうして買うが入っているのか不思議です。

「買」は「罒」+「貝」で、貝はお金の意味ですから、それらを罒(あみがしら)、つまり網ですくって採取する。つまり「貝(お金)」を手に入れるという意味になります。

「賣」の上部は「士」で、これは横棒二本の両端に短い縦棒を書き添えると「出」になります。なので「貝(お金)」が「出」てゆくという意味になります。

老婆心ながら豆知識でした。

「文太」(ふん多゛)。先の「桃山人夜話巻五 舞首」の登場人物に「小三太」がいました。この振り仮名が(こさん多゛)と「太」が「多」ではなく「多゛」と濁っていました。どうやら「文太」は「ぶんた」ではなく「ふんだ」と発音していたのかもしれません。

「語」の「吾」がなんか変なかたちにみえます。しかし「五」のくずし字のとおりになっています。

「五」の二画目で真下までおろしたら、そのまま逆Sのように下から左回りに上がっていって真ん中あたりで今度は右回りになって三画目の角になります。「口」の部分はちゃんとそれらしくなっています。

 ご婦人が釜茹でならぬ、竹簾の上に座して湯気または煙で燻されているのかあぶられているのか、しかし表情は苦悶している様子はありません。ご婦人の視線の先には目線で合図しているのか燻され加減はどうだいときいているような顔つきの男子が。何でしょうねぇ。

 ご婦人の右袖あたりに「小」の字がありぼやけていますがなにか他の文字のようなものがあります。いたずら書きですかね。

 

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