2022年3月11日金曜日

桃山人夜話巻五 その34

P20後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

の楽  屋尓師 直 と判 官  の人 形  よ春可゛ら争  ひ多ること

 可゛くや もろ奈を 者んぐハん 尓ん个゛う     阿ら曽 

のが くやにもろなおとはんが んのにんぎょうよすが らあらそいたること


阿里丑 ミ川ごろ尓楽  屋へ入れ者゛必    怪  異越ミると

  うし     可゛くや い   可奈ら須゛く王いゐ

ありうしみつごろにが くやへいれば かならず か いいをみると


いふことさも阿るべき尓や首 ハ切 天棚 尓眼  を開

            くび きり 多奈 ま奈こ ひら

いうことさもあるべきにやくびはきりてたなにまなこをひら


(大意)

(夜)の楽屋で、(高)師直(こうのもろなお)と(塩谷)判官(えんやはんがん)の

人形が一晩中争っていたことがある。丑三つ時に楽屋へ入れば必ず怪異を見る

というのはなるほどありそうなことである。首は切られて棚の上で眼を開(き)


(補足)

「楽屋」、「楽」のくずし字は「ゝ」+「ホ」のような禾のような形でいままであまり見なかったような気がします。

「よ春可゛ら」、「可゛ら」が悩みました。

「必」(可奈ら須゛)、振り仮名を読むほうが大変。「ら」のかたちがほとんどない。

「怪異」、「異」は異体字「己」+「大」になってます。

「いふこと」、「こと」は合字。

「開」、「門」(もんがまえ)が「冖」(わかんむり)になってます。

 (高)師直(こうのもろなお)と(塩谷)判官(えんやはんがん)の人形が一晩中争っているところを夜中にこっそり忍び込み見てみたい・・・怖いけど。

 

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