P28奥付 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
作 者 桃 山 人
さくしゃ とうざんじん
画 工 竹 原 春 泉
がこう たけはらしゅんせん
金 花堂 蔵 板
きんかどうぞうはん
(大意)
略
(補足)
「作者」or「俳者」か迷うところです。くずし字辞典やネットの日本古典籍くずし字データセットで比較した結果、「作者」としました。
全五巻楽しく毎日ブログアップができました。話の内容がいろいろあって面白かったのですが、一番わたしの奥底ですごいなと感嘆していたのは、彫師と摺師の腕です。版元から清書された原稿をわたされ、板に貼り付け、一文字一文字さまざまな彫刻刀を使って刻んでいきます。筆のカスレや細いつらなりなど筆で紙に書いたままの質感を保って刷り上げます。そして出版後は版木は次の本のためにかんなで削られてしまいます。だんだん薄くなった版木は家の壁の穴ふさぎのあて板や薪になってしまいました。
貴重な版木を保存している会社もあります。わたしが二十歳前の頃だったでしょうか、宇治の鉄眼和尚の一切経の版木を見たときの感動は今もしっかりとおぼえています。
版木は当時、街なかの和菓子屋さんのお店で和菓子が入れられているガラスケースのようなものにごっそりと入れられていました。暗い部屋でしたが、黒光りした版木の迫力のあること。ガラスケースを開けて、何枚か持たせてもらいました。ずっしりとした重みは版木の重さだけではなく何枚も何枚もお経を刷り上げてきたそれらの積層したものでありました。美しかった。一文字一文字の角はまったくつぶれてなく鋭角に際立っていました。薄暗がりの部屋を出ると、そとは蒸し暑く青空でした。
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