P23後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
奈りしと曽゛人 形 師土斎 可゛う多尓
尓ん个゛うしどさ以
なりしとぞ にんぎょうしどさいが うたに
捨 袮ども家 こ楚でくの坊 主 な連
春て いゑ 本゛う春゛
すてねどもいえこそでくのぼ うず なれ
鬼 も佛 も手づく袮尓し帝
於尓 本とけ て
おにもほとけもてづくねにして
深 葦 のさ登墨 染 寺 尓近 き比 迄 土斎 可゛石
ふ可くさ 春ミ曽゛めでら ち可 ころまでどさ以 せき
ふかくさのさとすみぞ めでらにちかきころまでどさいが せき
碑阿り个る与し壷 井氏 何 可゛し可゛毛の語 奈り
ひ つ本゛ゐうじ奈尓 可゛多り
ひありけるよしつぼ いうじなにが しが ものが たりなり
(大意)
(木頭に)なったという。人形師土斎の歌に
捨てねども家こそでくの坊なれ
鬼も仏も手づくねにして
(家は簡単に捨てたりすることはできない、これこそ役に立たないでくの坊である
それに比べれば鬼や仏は手作りの魂のこもったものである)。
深草の里にある墨染寺に、近き頃まで土斎の石碑
があったということを壺井氏某(つぼいのなにがしさん)が語っている。
(補足)
儒教的で教訓をたれる話よりこういった物語のほうがおもしろいく楽しめます。
なにかの折、しんとしてひんやりした誰もいない楽屋のような部屋にひとり入ってしまったとき
このはなしを思い出して、肝を冷やすことがありそう・・・
「こ楚」、「こ」がなやみます。
「手づく袮尓し帝」、この「く」は平仮名より変体仮名「久」(く)にちかい。
変体仮名「帝」(て)はあまりみませんので忘れてました。
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