P14後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
入る奈りされバ貧 乏 神 ハ油断 の飛ま越う可ゞひて
い びん本゛う可゛ミ ゆ多゛ん
いるなりさればびんぼ うが みはゆだ んのひまをうかがいて
風 の神 ハ阿多ゝ可とさむさのひま越袮らへり口 与り
可ぜ 可ミ くち
かぜのかみはあたたかとさむさのひまをねらえりくちより
黄奈る氣越ふくハ黄ハ土 尓し天湿 氣奈り風
き き き つち しつき 可ぜ
きなるきをふくはきはつちにしてしっきなりかぜ
ハ皆 土中 与り生 春゛去 バ悪 氣越さけて正気 を取 べし
ミ奈どち う せう され あつき せ うき とる
はみなどちゅうよりしょうずさればあっきをさけてしょうきをとるべし
(大意)
入るものである。だから貧乏神は油断の隙間をうかがって、
風の神は暖かさと寒さの隙間をねらって入る。口より
黄色い気を吹くが、黄色は土であり湿気である。風は
すべて土中より生ずる。それ故、(天地の)悪気をさけて正気をとるべきである。
(補足)
「貧乏神」、「貧」の上の部分「分」のくずし字がちゃんと「彡」+「ゝ」になっています。
「う可ゞひて」、すぐ右側の行にまったく同じ文があります。
「阿多ゝ可と」、あれっ、なんて読むのだろうとおもって、次に「さむさ」とあるのでなるほどと。
「ひま越」、前行では変体仮名「飛」(ひ)でしたがここでは平仮名。
「黄ハ土尓し天」、陰陽五行説。「木・火・土・金・水」は色にすると「青・赤・黄・白・黒」。
結末を急ぎすぎて、なんだかよくわからない話になってしまってます。出だしはよかったんですけど。でも「風の神」って、悪さをするのかもしれない神様かもしれませんが、言葉の感じが好きです。
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