2022年3月19日土曜日

桃山人夜話巻五 その42

P25後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

ハ石 尓爪 づき天のけさ満尓ま路ぶ所  越肩 先 可

 いし つま           ところ 可多さき

はいしにつまずきてのけさまにまろぶところをかたさきか


け天乳の下 迄 切 さげ多り切られ天五郎 ハ起

  ち し多まできり    き   ごらう おき

けてちのしたまできりさげたりきられてごろうはおき


上  り左  りの手尓刀  を取 直 し天又重  を無二

阿可゛ ひ多゛  て 可多奈 とり奈を  ま多しげ む尓

あが りひだ りのてにかたなをとりなおしてまたしげをむに


無三 尓衝 个れハ又 重 刃   を春天ゝ五郎 尓むづ

むざん つき   ま多しげやい者゛    ごらう

むざんにつきければまたしげやいば をすててごろうにむず


(大意)

(五郎)は石につまずき、あおむけに倒れるところを、又重は肩先から

乳の下まで切り下げた。切られた五郎は起き

上がり左の手に刀を持ち直し、又重を

がむしゃらに突き刺したので、又重は刀を捨てて五郎にむず

(と組み付くと)


(補足)

 講談調なので文章がどことなく、五七調になっているような気がします。声を出してそれっぽく読むとやはり講談師の気分です。

「のけさ満尓」「肩先可け天」「切さげ多り」、平仮名「け」も使われています。

「上り」、「上」のくずし字が「と」のよう。

「直し天」、「直」のくずし字はよくでてきます。

 

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