2022年3月7日月曜日

桃山人夜話巻五 その30

P18 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

栁  者゛ゞ

や奈ぎ

やなぎば ば


古 き栁  尓は精 有 て

ふる や奈ぎ  せい

ふるきやなぎにはせいありて


妖 を奈須事 む可しよりためしお本し

よう   こと

ようをなすことむかしよりためしおおし


(大意)

柳ばば

古い柳には精があって

怪しいことが起こることは昔より例がおおい。


(補足)

平仮名の「は」や「た」があるのがちょっとめずらしいくらいでしょうか。

柳ばばはどうしてこんなに黒くなってしまったのでしょうか。杖をついていますが、これは柳の枝でこしらえたものでしょう。柳ばばは杖で手がふさがっているので、かわりに柳の枝と葉で胸の前で両手を垂らす仕草をしている感じ。

川沿いやお堀にはよく柳並木があって、新緑の季節は爽やかですけど、「油断春べ可ら須゛」。こんな婆さんには出くわしたくない。

 

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