P1上段 国立国会図書館蔵
(読み)
ひ多ちの
ひたちの
く尓の
くにの
志本や起尓
しおやきに
文 太といふ
ぶんたという
ものあり个り
ものありける
心 正 じき尓
こころしょうじきに
してふうふ
してふうふ
いと奈ミ
いとなみ
个り
けり
(大意)
常陸国(ひたちのくに)の
塩焼きに
文太という
者がいました。
心は正直であり
夫婦で住んでいました。
(補足)
「ものあり个り」、行末の「り」が「る」と迷いましたが、「あり」の「り」と同型なので「り」としました。文末の「个り」も同様です。
「心正じき」、最初「心」が悩んだのですが、下段に「心やさしく」とあり解決。
彫師の腕はいまひとつのようです。字がゴツゴツしています。文太の左の裾のところに「文」とあります。表紙の娘の右袖に「小」とあったのはいたずら書きではなく、小しおの「小」でした。
かすれているところもあって、読むのはいささか大変です。
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