P23 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
野き川袮
の
のぎつね
きつねの挑 燈 の
ちやうちん
きつねのちょうちんの
火をとり蝋 燭 を
ひ らうそく
ひをとりろうそくを
食 ふこと今 毛
くら いま
くらうこといまも
まゝ阿る事 に
こと
ままあることに
奈ん
なん
(大意)
野狐
きつねが提灯の火をとって蝋燭を
食べることは今も
ときおりあること
である。
(補足)
提灯を「挑」という漢字を当ててますが、同じ音とはいえ無理矢理で上手ではありません。暗闇に灯りを挑ませるぐらいの感じでしょうか。
旅人か通りががりの人がきつねに驚いて、なりふりかまわず逃げてゆきました。残された提灯を手にして大好物の蝋燭の火と立ち上る煙をみて、うっとり。自然と顔がほころんでしまいます。もう一匹は妻がなめおわるのを待ちながら、後脚で背中をポリポリ、気持ちよさそうです。秋もおわり、里山の夜のひとときでありました。
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