2022年1月6日木曜日

桃山人夜話巻四 その14

P8 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

五位の飛可里

ごゐ

ごいのひかり


此 鷺 五位の

このさぎごゐ

このさぎごいの


くらゐをさ川゛可り

くらいをさず かり


し故 尓や夜 ハ

 由へ  よる

しゆえにやよるは


光 り阿りて阿多りを

ひ可 

ひかりありてあたりを


照 せり

てら

てらせり


(大意)

五位の光

この鷺は五位の

位を授かっている

ためだろうか、夜は

光ってあたりを

照らしている


(補足)

 図が本文より先になってます。菩薩像の背中の後光のようにうすく光が放射状に広がっています。

変体仮名「飛」(ひ)のかたちがもう少し抽象化されると「ひ」になりそうですが、平仮名「ひ」のもとは変体仮名「比」のようです。

「さ川゛可り」、濁点が「可」に付いてしまっているようにみえますが、変体仮名「川」(つ)の右下にきただけ。

「尓や」、疑問または反語。

 

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