P5後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
己 可゛手尓可け天打 殺 春べし登のゝ志りてふ多
て うちころ
おのれが てにかけてうちころすべしとののしりてふた
打 三打 うち多ゝき个れバ蛇 ハ頭 を多れ天いづこ
うちミうち へび 可しら
うちみうちうちたたきければへびはかしらをたれていずこ
登も奈く逃 失 多り此 ことさら尓志る毛のも奈可
尓げうせ この
ともなくにげうせたりこのことさらにしるものもなか
里个る可゛其 夜母 の夢 尓一 ツの蛇 来 り天春ゞ
曽のよ者ゝ ゆ免 ひと へびき多
りけるが そのよははのゆめにひとつのへびきたりてすず
(大意)
わたしの手でもって打ち殺してやるぞ」とののしり、さらに二打
三打と打ちたたくと蛇は頭をたれてどこかへ
逃げていってしまった。この出来事はほかに知るものもいな
かったが、その夜子どもの母親の夢に一匹の蛇があらわれて、雀
(補足)
「手尓可け天」、この頁では平仮名「け」がよく使われています。「个れバ」のときに変体仮名なのはこれでひとセットのためでしょう。
「のゝ志りて」、「ゝ」を読み落としそうです。
「夢」(ゆ免)、ここでは変体仮名「免」(め)です。次頁にまたがる「春ゝ゛免」も同様。しかし4行目の雀の振り仮名は平仮名「め」となっています。何を使うかは気分次第と言うか変化自在。
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