P11後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
奈り依 天里 人 阿多゛名し天累 と呼べり夫 与
よつ さとひと 可さ袮 よ 於つとよ
なりよってさとびとあだ なしてかさねとよべりおっとよ
右衛門を里んきし天ミつ可ら井尓投 じ天死し
ゑもん とう し
えもんをりんきしてみずからいにとうじてしし
其 霊 後 妻 尓取 附 奈や満せしことハ与右衛門 可゛
曽の連以こうさ以 とりつき よゑ もん
そのれいこうさいにとりつきなやませしことはよえもんnが
因 果 毛の可多り尓出 多れバこゝ尓略 せり世尓可さ
ゐんぐ王 いて 里やく よ
いん がものがたりにいでたればここにりゃくせりよにかさ
(大意)
(九回にも)なった。そのため里の人はあだ名をつけ「累(かさね)」と呼んだ。夫与
右衛門に嫉妬しみずから井戸に身を投じて死んでしまった。
その霊は後妻に取り付き悩ませたことは与右衛門の
因果物語に詳しいのでここでは略す。世に「かさ(ね)
(補足)
「を里んきし天ミつ可ら井尓」、読みにくい箇所ですが、変体仮名「里」(り)が判別できればあとは大丈夫。変体仮名「可」(か)は「ら」や「う」とまぎらわしい。
略された「与右衛門の因果物語」の内容が気になります。
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