2022年1月13日木曜日

桃山人夜話巻四 その21

P12前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

袮毛の可゛多りと云 毛の阿り天お徒王尓与右衛門尓

ねものが たりというものありておつわによえもんに


こ路されしと書 多れども作 意奈り曽も\/此 死

          可き    さくゐ      このし

ころされしとかきたれどもさくいなりそもそもこのし


霊  のお菊 といへる尓取 附 多る者与右衛門おきく可゛

里やう  きく     とりつき   よゑもん

りょうのおきくといえるにとりつきたるはよえもんおきくが


身の誤   与り出 多る奈り春べ天生 霊  死霊  と

ミ 阿や満り  いで       いき里やうし里やう

みのあやまりよりいでたるなりすべていきりょうしりょうと


(大意)

(「かさ)ね物語」というものがあって、おつわが夫の与右衛門に

殺されたと書かれているが、それは作り話なのである。そもそもこの

死霊が後妻のお菊というものに取り付いたのは与右衛門とお菊の

不義密通より出たものである。生霊や死霊が


(補足)

「毛の可゛多りと云 毛の」、「毛の」という使い方のときはこの変体仮名がたいてい使われています。

「書」のくずし字が「出」に見えます。「書」は画数が多いので簡単に「小」+「一」。

 芸能週刊誌の不倫記事のようでもあります。

 

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