2022年1月28日金曜日

桃山人夜話巻四 その36

P21後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

春るゝ登いへり於ろ可奈る人 越多ぶら可し天毛のをう

            ひと

するるといえりおろかなるひとをたぶらかしてものをう


者゛ふ氣越志りて人 尓近  くこと奈し牛  馬 の本袮

   き    ひと ち可づ     ぎ う者゛ 

ば うきをしりてひとにちかずくことなしぎゅうば のほね


を得ざれバ化  ること能 ハ春゛位  の望  むこと未   詳    奈ら須゛

 え   者゛け   阿多   くらゐ の曽゛   いま多゛つまびら可

をえざればば けることあたわず くらいののぞ むこといまだ つまびらかならず


(大意)

(これを)忘れてしまうという。愚かな人をたぶらかして物を

奪う。気配を感じて人に近づくことはない。牛馬の骨が

なければ化けることができない。野狐が自分の地位・身分を望むことは

いまだ明らかではない。


(補足)

ここからの3行、文章の切れ目がちょっとわかりにくいです

「於ろ可」、変体仮名「於」(お)が変体仮名「礼」(れ)にもみえます。

「近くこと」、「近」のくずし字が元の字からかけ離れています。「斤」の一画目の次くらいから「を」になったような感じ。「こと」は合字。このあと2箇所でてきます。

「本袮」、変体仮名で「ほね」だが、一瞬なんのことかと。

「望」のくずし字が「野」のそれとにています。

 なんだか説明だけになってしまっていて残念。

 

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