P21後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
春るゝ登いへり於ろ可奈る人 越多ぶら可し天毛のをう
ひと
するるといえりおろかなるひとをたぶらかしてものをう
者゛ふ氣越志りて人 尓近 くこと奈し牛 馬 の本袮
き ひと ち可づ ぎ う者゛
ば うきをしりてひとにちかずくことなしぎゅうば のほね
を得ざれバ化 ること能 ハ春゛位 の望 むこと未 詳 奈ら須゛
え 者゛け 阿多 くらゐ の曽゛ いま多゛つまびら可
をえざればば けることあたわず くらいののぞ むこといまだ つまびらかならず
(大意)
(これを)忘れてしまうという。愚かな人をたぶらかして物を
奪う。気配を感じて人に近づくことはない。牛馬の骨が
なければ化けることができない。野狐が自分の地位・身分を望むことは
いまだ明らかではない。
(補足)
ここからの3行、文章の切れ目がちょっとわかりにくいです
「於ろ可」、変体仮名「於」(お)が変体仮名「礼」(れ)にもみえます。
「近くこと」、「近」のくずし字が元の字からかけ離れています。「斤」の一画目の次くらいから「を」になったような感じ。「こと」は合字。このあと2箇所でてきます。
「本袮」、変体仮名で「ほね」だが、一瞬なんのことかと。
「望」のくずし字が「野」のそれとにています。
なんだか説明だけになってしまっていて残念。
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