2022年1月11日火曜日

桃山人夜話巻四 その19

P11前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

第  廿   九累

多゛以尓志゛うく可さ袮

だ いにじゅうくかさね


下 総 の国 羽生 村 の百  姓  与右衛門可゛妻 の可さ袮実

志もふさ く尓者尓うむら ひやくせ うよ     つま    志゛つ

しもうさのくにはむらむらのひゃくしょうよえもんが つまのかさねじ つ


名  をお徒王といへり性 淫 乱 尓し天邪 見 奈る可゛ゆへ

ミやう          ゐんらん   じや个ん 

みょうをおつわといえりせいいんらんにしてじゃけんなるが ゆえ


尓多び\/嫁春れども離別 せらるゝこと九の度

     可    里べつ        多ひ

にたびたびかすれどもりべつせらるることくのたび


(大意)

第二十九累

下総の国羽生村の百姓与右衛門の妻かさねは本

名をおつわといった。性格は淫乱で薄情であったため

に何度か嫁ぎはしたが離縁されたことは九回にも

(なった。)


(補足)

「累」、振り仮名「ね」が平仮名のように見えますが拡大してみると変体仮名「袮」(ね)でした。

「お徒王」、最初変体仮名「津」(つ)とおもったのですがどうやら変体仮名「徒」(つ)のよう。

「るゝ」、一文字のようにみえてしまいます。

 

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