2022年1月24日月曜日

桃山人夜話巻四 その32

P18後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

退 役 し天ひと月 過 火 氣も奈き所  与り火出

多以やく    つき春ぎく王き   ところ  志由つくハ

たうやくしてひとつきすぎか きもなきところよりしゅっか


天家 越やき身も焼 死しむさぶり多くハへ多類

 いゑ   ミ やけし         

ていえをやきみもやけししむさぶりたくわえたる


金 銀  財 宝 衣類 ホ 一 時の烟  と立 登  れり其

きん\゛/ざ以本うゐる以とういちし 个むり 多ちの本゛  曽の

きんぎ んざうほういるいとういちじのけむりとたちのぼ れりその


日ひとむらの火天 与り下  りしをミ多る人 有 恐 るべし

ひ     ひてん  く多゛      ひとあり於曽

ひひとむらのひてんよりくだ りしをみたるひとありおそるべし


(大意)

退役してひと月を過ぎたころ、火の気もないところから出火し

て家を焼き自身も焼け死しんだ。むさぼりたくわえた

金銀財宝衣類などほんのいっときの間に煙となって立ち登った。そ

の日、火のかたまりが天より降ってきたのを見た人がいる。恐るべきことである。


(補足)

「火出天」、送り仮名「し」が抜けているようです。

「ひとむらの火」、「と」、「ら」は形をなしていません。「の火」と続くので読めました。

「ミ多る」、ここも少し悩むところ。

 悪代官の屋敷を天よりの大火球で打ち砕き炎上しろと領民が願っていると、ほんとうにそうなりそうな気がしてきます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿