2022年1月21日金曜日

桃山人夜話巻四 その29

P17前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

第丗一野鉄砲

多゛以さん志゛ういちのてつ本う

だ いさんじゅういちのでっぽう


満ミと云 毛のゝ功 越へ多る越野てつ本うといへり阿る説

   いふ   こう     の

まみというもののこうをへたるをのでっぽうといへりあるせつ


尓ハこうもりの年 へ天野ぶ春満登云 毛の尓奈り

       とし  の    いふ

にはこうもりのとしへてのぶすまというものになり


多るをもいへりと曽゛夕 くれの比 与り出 天人 の面  尓あ

               ころ  いで ひと 於もて

たるをもいえりとぞ ゆうくれのころよりいでてひとのおもてにあ


多り目越ふさぎて生 血 越吸ふ巻 耳と云 草 越

  め     せい个つ 春 名もミ いふくさ

たりめをふさぎてせいけつをすうなもみというくさを


(大意)

第三十一野鉄砲

「まみ」というものの年功を経たものを野鉄砲という。ある説

にはこうもりが年をとってのぶすまというものになった

というものもある。夕暮れ時に出てきて人の顔面にあ

たり、目をふさいで生き血を吸う。「巻耳(なもみ)」という草を


(補足)

出だしから読めないし読めても意味が不明。そのようなときはかまわず次を読んでいきます。

どうやら「まみ」とは何かの名前のようです。「ミと」がグニャグニャとつながってわかりにくい。

「野」のくずし字は「那」+「土」or「王」のような感じ。

 吸血コウモリというのがいるのだから、でも日本にはいないかも、どこかの国では実際にありそうな話。いやだ。「まみ」という音が不思議、こうもりやのぶすまやのでっぽうという音と無関係な感じ。関係ないけど「野ぶすま」という音で思い出すのが「男衾(おぶすま)」という地名。東武東上線の池袋から行くと、寄居駅の手前(鉢形)の手前(男衾)にあります。「ぶすま」とは桶狭間の「狭間」という意味らしく、渓谷にはさまれてジメジメしたかんじの所の意。そこにうじゃうじゃコウモリがいたのかもしれません。

 

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