P22後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
免り猿 奈どを取 て手のひらて押 尓忽 死春穴
さる とり て 於春 多ちまちし 阿奈
めりさるなどをとりててのひらておすにたちまちしすあな
与り於尓く満をとり出 春を於曽゛く登云 奈り大 木
い多゛ いふ たい本゛く
よりおにくまをとりいだ すをおぞ くというなりたいぼ く
を井个゛多の如 く尓組 天藤 づるを以 天穴 の口 を
ゐ ごと くミ ふぢ もつ 阿奈 くち
をいげ たのごとくにくみてふじづるをもってあなのくちを
ふさぎ種 ゝ の木を入 れバ取 て於くの本うへつめ
志由\゛/ き いる とり
ふさぎしゅじゅ のきをいるればとりておくのほうへつめ
(大意)
(歩)く。猿などを捕まえて手のひらで押すとすぐに死んでしまう。穴
から鬼熊を取り出し捕まえることを「おぞく」という。大木
を井桁のように組んで藤蔓(ふじづる)で穴の口を
ふさぎ、いろいろな木を入れると、鬼熊はこれらを取って奥の方へ詰め(込み)
(補足)
「手のひらて」、(手のひらにて)だとおもうのですが、「に」がみあたりません。カタカナ「ニ」が小さくあるようにも見えますが、この本ではそれが使われているところはなかったようにおもいます。
「押尓」(於春に)。「春」がかすれているので、見た目は「ミ」にみえます。
「忽死春」(多ちまちし春)。振り仮名を読むのも一苦労。
「大木」(たい本゛く)、「た」が変体仮名「多」にも平仮名「た」にもみえません。
この本では巨人伝説や島のような赤エイの話などがありました。で、今回は巨大熊。
なんとなく実際にいたのだろうとおもってしまいます。
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