2022年1月22日土曜日

桃山人夜話巻四 その30

P17後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

ふとこ路尓入 連バこれ尓さ満多げらるゝこと奈しと云

     いる                 いふ

ふところにいるればこれにさまたげらるることなしという


深 山 尓野可げと云 毛の有 名ハ可ハれども是 と同

  さん の   いふ  ありな      これ 於奈

しんざんにのかげというものありなはかわれどもこれとおな


じ野可げも名毛ミ越きらふよし深 山 の人 ハいへり

 の              や満 ひと

じのかげもなもみをきらうよしふかやまのひとはいえり


(大意)

ふところに入れておけばこれに襲われることはないという。

奥山に「野かげ」というものがある。名は異なっているがこれと同

じものである。「野かげ」も「なもみ」を嫌うという。奥山の人が言っている。


(補足)

前行「巻耳と云草越」、「巻耳」振り仮名が「奈もミ」とありますが、パッとみためは「ありミ」。拡大してみると確かに振り仮名通り。「云草」は「柔」一文字に見えます。

「野可げ」、ここではほぼ楷書の「野」。同じ読みでも表現をかえるのが習い。

今度は「深山」の振り仮名が「やま」になっています。二文字を「やま」とよませているのか「ふかやま」なのか、よくわかりません。前行では「深山」の振り仮名「さん」とありこれは「しんざん」でしょうけど。

 

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