P14 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
お菊 むし
おきくむし
皿 屋敷 のこと盤犬 う川童
さらやしき いぬ 王らべ
さらやしきのことはいぬうつわらべ
だ毛知れゝバ古ゝにい者須゛
す
だもしれればここにいわず
(大意)
お菊虫
皿屋敷のことは犬を打つ子ども
でさえ知っていることなので
ここでは言わない
(補足)
摺りと綴じの関係で次の話の図が先行しています。
出だし「お菊むし」の「菊」から読めません。つくずく初心者にもまだなれてないとうなだれます。
「艹」と「勹」がひとつで冠のようになり「米」はその下部にあります。よくあるパタンです。
「こと盤」、変体仮名「盤」(は)は知っていますが、こうして出てくるとう~ん、悩みました。
「犬う川童」、読めましたが意味がはてさて?しばらくして「犬を打つ子ども」と理解。
「だ毛」、これはさっぱりでした。でも変体仮名「毛」(も)は読めました。しかし「だも」って何だ?何度か音読するうちに前後の流れから意味はなんとなくわかりましたけど。辞書で調べたことをここに記してもしょうがないことですが、「だも」は「〔副助詞「だに」に係助詞「も」の付いた「だにも」の転〕」とあります。で、「だにも」は「〔副助詞「だに」に係助詞「も」が付いたもの〕」とあります。「春やとき花やおそきと聞きわかむ鶯―鳴かずもあるかな」〈古今和歌集•春上〉
「古ゝに」、どうも変体仮名「古」(こ)が苦手です。
わずか2行ですが手こずりました。
画は井戸(下の方に井桁の角が見えます)から現れたお菊むし。胸から下が蛇のような龍のような鱗状になってます。顔の表情はどこか間が抜けて、あれっ出るとこ間違えちゃったかなっていう感じ。よく見る両腕と胸に綱が巻かれています。捕まったときのまま怨霊になってしまったのかも。
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