2021年11月4日木曜日

桃山人夜話巻二 その38

P24後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

天ひら可せミる尓潮 水尓され多る白 骨 奈り个れバ

        うし本     者つこつ

てひらかせみるにうしおにされたるはっこつなりければ


寺 尓持多せ来 り天袮んごろ尓葬  り个る尓曽の

天ら も  き多       本うむ    

てらにもたせきたりてねんごろにほうむりけるにその


後 ハ何 ごとも奈可里しと楚゛曽れ与り後 尓い多り

のち 奈尓              のち

のちはなにごともなかりしとぞ それよりのちにいたり


天新 田義 貞  高 時 越攻 鎌 くら尓入 个る時

 尓つ多よしさ多゛多可とき せめ可満   いり  とき

てしったよしさだ たかときをせめかまくらにいりけるとき


(大意)

(行)って開けさせてみたところ、潮水にさらされた白骨であった。

寺に持ってこさせて丁寧に葬ったところ、その

後は何事もなかったという。それより後のこと

新田義貞が北條高時を攻めて鎌倉に入るとき

(補足)

「寺」、「ち」の最後に「。」をつけたようなくずし字。

「ごと」、合字「こと」に「゛」。

「奈可里しと楚゛」、変体仮名「里」がわかりにくですけど、まぁなんとか読めます。

 

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