P7 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
葛 乃葉
くず 者
くずのは
信 太 杜 の久ず能葉の事 ハ
志の多゛のもり 者
しのだ のもりのくずのはのことは
稚 児ま天゛毛知る事 奈れ者゛
おさ奈 し
おさなごまで もしることなれば
古ゝにい王須゛
ここにいわず
(大意)
葛の葉
信太の杜のくずの葉のことは
幼子まで知ってることなので
ここでは言わない
(補足)
「くず」は原本では「艹」「日」「匂」。わたしのPCではそのフォントがありません。
平仮名「ず」が2箇所にあります。たいていは変体仮名「春゛」です。しかし文末では変体仮名「須゛」。
「の」は平仮名「の」、変体仮名「乃」、変体仮名「能」が出てきます。
「事」は平仮名「る」に似たくずし字があります。
「稚児ま天゛毛」、ここの変体仮名「毛」は「もの」や「もろこし」のときに使われるかたちのもの。
「古ゝにい王須゛」、「ここ」がわかりにくい。「に」は変体仮名「尓」ではなく平仮名「に」。
葛の葉の話の内容とこの絵との関係がわかりません。
庭にはまだ若いすすきと菊の花。中央には床柱のような丸太。女の着物柄は伏見稲荷の鳥居を連想させます。糸巻きの仕事をおわって窓辺に肘掛け腕枕でうとうとする女。姉さんかぶりも洒落てます。
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