2021年11月25日木曜日

桃山人夜話巻三 その16

P9後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

バ人 尓化  天来 れ可しといふ尓五十  有 余者゛可りの人

 ひと 者゛け き多       こぢ うゆう      ひと

ばひとにば けてきたれかしというにごじゅうゆうよば かりのひと


登奈り天日ゝ尓来 り天毛の可゛多り春る尓古代  の

    ひ  き多           こ多゛以

となりてひびにきたりてものが たりするにこだ いの


ことゞもを与く志り天つぶさ尓者那せり依 て芝

                  よつ 志者゛

ことどもをよくしりてつぶさにはなせりよってしば


(大意)

(芸がある)ならば人に化けて来てみたらどうだ」というと、五十歳ばかりの人

となって、毎日やって来ては物語をきかせるようになった。古い時代のこと

などをよく知っていて詳しく話した。そのために芝(右エ門)


(補足)

「来れ可し」、「可」を読みとばしそう。

変体仮名「毛」(も)のかたちはあらっぽく3つありそうです。①二行目「もとめり」②六行目「ものがたり」③七行目「ことども」。

「者那せり」、変体仮名「者」がちょっとわかりずらいし、変体仮名「那」も見慣れないので悩むところです。

 江戸後期から明治のいわゆる知識人と言われる人たちの日記などを読んでいると、狸や狐が化けて身辺に現れることを信じているような文章に出会います。愉快ですね。


 

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