P25前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
戸根の八郎 ハ船 田 入 道 可゛手勢 をくひとめんと
と袮 者ちらう ふ奈多゛尓 うどう てせ以
とねのはちろうはふなだ にゅうどうが てぜいをくいとめんと
天由井可゛濱 のニ町 者゛可里こ奈多尓時 行 が陣
ゆゐ 者満 尓て う ときゆき ぢん
てゆいが はまのにちょうば かりこなたにときゆきがじん
を可満へ多る中 尓交 り天居多りし可゛極 楽 寺の取
奈可 まじ ゐ ごくらくじ とり
をかまえたるなかにまじりていたりしが ごくらくじのとり
手も崩 れ天敵 ハ山 の内 迄 乱 入 し多りと聞
て くづ てき や満 うちまでらん尓 う きく
てもくずれててきはやまのうちまでらんにゅうしたりときく
与り時 行 馬 を引 可へし天山 の内 をさして急
ときゆきう満 ひき や満 うち いそ
よりときゆきうまをひきかえしてやまのうちをさしていそ
(大意)
戸根の八郎は船田入道の手勢をくいとめようとし
て由比ヶ浜の二町(約200m)ばかり手前で時行が構えた
陣の中に交じっていたのだが、極楽寺の砦
もくずれて、敵は山ノ内まで乱入したと聞くやいなや
時行は馬を引き返して山ノ内に向かって急(いだ。)
(補足)
なんだか講談調になってきました。
「こ奈た」、ここでは手前の意。人代名詞として使われるときは一人称二人称三人称のどれにも使われるのでチトめんどう。
「陣」のくずし字で「車」が「東」のくずし字になってます。調べてみたら同じでした。
「取手」(とりて)、何のことかとおもったら「砦」でした。
「聞」のくずし字は特徴的。「門」は冠になり、「耳」は「メ」。
講談では〽ちょうど時間となりましたぁ〜〽と唸って、一番良いところで終わるのが通例。
さて時行が馬、山ノ内へ向けてどうなるかぁ〜。
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