P11後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
こと那し後 尓犬 の多免尓足 越噛 連天ちん
のち いぬ あし 可満
ことなしのちにいぬのためにあしをかまれてちん
者゛と奈り人 の家 尓畜 れ天禍 福 の吉凶 を云
ひと いゑ 可ハ くハふく よしあし いふ
ば となりひとのいえにかわれてか ふくのよしあしをいう
尓当 ら須゛と以ふこと奈しと途巷 随 筆 尓のせ多
阿多 とこう春゛いひつ
にあたらず ということなしととこうず いひつにのせた
里芝 右エ門可゛狸 登日越同 ふせし者那し奈り个り
志者゛ゑもん 多ぬき ひ 於奈じ
りしば えもんが たぬきとひをおなじうせしなはしなりけり
(大意)
(不明なところは)なかった。のちに犬に足を噛まれてびっこ
をひくようになり人の家に飼われて、人の幸不幸を占わせると
当たらないことはなかったと「途巷随筆」に記載されている。
芝右衛門の狸と同様のはなしなのである。
(補足)
「当ら須゛と以ふこと奈しと」、「ら」はそのかたちをなくしていてただの縦棒。「ふ」は「つ」のよう。「こと」は合字。
現在でも芝右衛門の祠や大明神があって、丁寧に祀られているそうです。
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