2021年11月28日日曜日

桃山人夜話巻三 その19

P11前半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

居の狸  じや阿ろまいし登ハ此 事 越いひ多可゛へ多

ゐ 多ぬき         このこと

いのたぬきじゃあろまいしとはこのことをいいたが へた


る奈りと古老 の咄  尓伝 へ多り唐  土成 宗 の元

    こらう 者奈し つ多   もろこしせい曽う 个゛ん

るなりところうのはなしにつたえたりもろこしせいそうのげ ん


貞 二年 尓阮  梁  の坊 門 尓狸  有 天能 支那の

て以尓袮ん 个゛んりやう 本うもん 多ぬきあり よくし奈

ていにねんにげ んりょうのぼうもんにたぬきありてよくしなの


地理越弁 ぜり王 宛 登いふ毛の書 越以 天是 登

ち里 べん  王うゑん     志よ もつ これ

ちりをべんぜりおうえんというものしょをもってこれと


論 春゛る尓具  尓其 所  越得天ひとつとし天失  ふ

ろん    つぶさ 曽のところ え       うし奈

ろんず るにつぶさにそのところをえてひとつとしてうしなう


(大意)

芝居の狸じゃあるまいし」とは、このことを言い間違いした

のだと古老のはなしに伝えている。唐の成宗(皇帝)の元貞二年、

阮梁(げんりょう)の坊門に狸がいて、よく支那の

地理を弁じていた。王宛(おうえん)という者が書によってこの狸と

議論をしたところ、詳細に論点を見抜きひとつとして不明なところは(なかった)


(補足)

「阿ろまいし」、「る」の間違えではと確かめても「ろ」でした。

「いひ多可゛へ多る」、「可゛へ」のところが虫食い?で読めませんけど。同じく「王宛登いふ毛の」の「い」も同様。

「書」のくずし字は「書」をくずしたものと考えずに、別の漢字として覚える。「登」のくずし字の上半分とにてます。

 

0 件のコメント:

コメントを投稿