P23後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
霊 を止 免多る所 奈れバ多とへ其 下 尓屍 ハ奈くとも
連以 とゞ ところ 曽の志多 志可者゛年
れいをとどめたるところなればたとえそのしたにしかば ねはなくとも
古墳 ホ の石 越取 べ可ら須゛ま多人 ハ万 物 の霊 ニて
こふんとう いし とる ひと 者゛んもつ 連以
こふんとうのいしをとるべからず またひとはば んもつのれいにて
乞 食 非人 多りとも死多る越葬 る尓い多りてハ麁
こつじきひ尓ん し 本うむ 曽
こつじきひにんたりともしたるをほうむるにいたりてはそ
忽 尓い多須べ可ら須゛と有 昔 北 條 高 時 の比 本ひ
こつ 阿りむ可し本うぜ う多可とき ころ
こつにいたすべからず とありむかしほうじょうたかときのころおい
(大意)
霊をとどめたところなので、たとえその下に屍がなくても
古墳などの石を取るべきではない。また人は万物のなかでもっともすぐれたものであるから
乞食や非人であっても死んでしまって葬ることになっても
礼を失することなく行わなければならないという。昔、北條高時の頃
(補足)
「多とへ」、「さ」の「ー」がない変体仮名ではなく「多」の形が残っているほうのものです。この部分は強調して発音するとか何か使い分けがあるのでしょうか。
「非人」、「非」のくずし字が「飛」に似ていますが、「飛」のほうはこのくずし字の上に「ユ」のような形のものがのります。
「北條」、「北」のくずし字「⺗」は古文書入門で必ず学びます。でもくずし字というより当時の人達は「⺗」を漢字として「きた」と学んだのではないかと想像します。なので当時の人達は「北」を「きた」と読めないかもしれません。
「比本ひ」(ころほひ)、「頃おい」です。文語的な言い方。
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