P25後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
ぎゆく八 郎 も共 尓従 天時 行 可゛馬 尓つゞく
者ちらう とも 志多可゛ひ ときゆき う満
ぎゆきはちろうもともにしたが いてときゆきが うまにつづく
尓船 田 可゛軍 兵 阿まさじ登馬 越並 べ天おつ
ふ奈多゛ ぐんべ う う満 奈ら
にふなだ が くんぴょうあさまじとうまをならべておつ
可くるされども時 行 可゛馬 ハ無双 の逸 物 尓て
ときゆき う満 ぶさう いちもつ
かくるされどもときゆきが うまはぶそうのいちもつにて
飛鳥 の如 く雲 越霞 尓可ける尓曽゛船田 可゛せ
ひて う ごと くも 可春ミ ふ奈多゛
ひちょうのごとくくもをかすみにかけるにぞ ふなだ が せ
(大意)
(急)いだ。八郎も共に従って時行の馬に続いた
ところ、船田の軍兵が取り逃がすまいと馬を並べて追い
かけてきた。しかし時行の馬は並ぶものがないほどの名馬であったので
まるで飛ぶ鳥のように一目散に駆けていってしまった。船田の軍勢は
(補足)
「従天」(したがいて)、当時の人もこの振り仮名のないくずし字は読めなかったのでは?前後の文章の流れから察するしかなさそうだけど、それでも・・・
「阿まさじ」。「あま・す」辞書に『④ 討ち残す。取り逃がす。「先にこそもらすとも,今度は―・すな,もらすな」〈平治物語•中〉』とありました。
「飛鳥」、「鳥」のくずし字が変体仮名「多」ににていますが、鳥のほうは下の部分が「る」。変体仮名「多」のほうは下の部分が「〆」のようなかたち。
「雲越霞」、『いっさんに走って姿を隠してしまうさまにいう。くもかすみ。「―と逃げ去る」』
さぁ〜、ここからは講談師、口調もはやくなり両眼拡張紅顔口角泡飛ばし熱がはいってくるところ。さぁさぁどうなるかぁ〜。ペペンペンペン。
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