P10後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵
(読み)
个る戻 り尓犬 尓久ハれ天死し多り个りされども
もと いぬ し
けるもどりにいぬにくわれてししたりけりされども
半 月 者゛可里ハ生 躰 をも阿らハさ須゛人 \/いぶ可り
者んつき せ う多以 ひと
はんつきば かりはしょうたいをもあらわさず ひとびといぶかり
个る可゛廿 四五日 を遍天狸 と奈り个るよし其 比
尓志゛うしこ尓ち 多ぬき 曽の
けるが にじゅうしごにちをへてたぬきとなりけるよしそのころ
里 人 の云 个るハ死 でも化 の皮 ハ阿らハさ須゛芝
さとびと いひ 志ん 者け 可ハ 志者
さとびとのいいけるはしんでもばけのかわはあらわさず しば
(大意)
(行った)が帰りに犬に食われて死んでしまった。しかし
半月ばかりは正体をもあらわさず、人々は変におもった
が、二十四、五日をへて狸となったとのことである。そのころ
その土地の人たちが言う「死んでも化けの皮をあらわさず、
(補足)
「久ハれ天」、「久」と「天」の変体仮名がほとんど同じです。
「死し多り」、「し」を読みとばしそう。
「半月者゛可里ハ」、変体仮名「里」がわかりにくい。2行後の「里人」の「里」はかなでないのでふつうの楷書の漢字です。
「生躰をも」、「を」のつもり(左上に「を」があります)でかいたのでしょうけど、変体仮名「者」(は)にみえます。
「いぶ可り」、「可り」が小さいので一文字にみえます。
「其比」、「比」の上に「く」のようにみえるのは、「其」のくずし字の一部?
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