2021年11月21日日曜日

桃山人夜話巻三 その12

P6後半 東京都立中央図書館特別文庫室所蔵

(読み)

らぶれバ其 志    者る可尓満されり此 こと越安倍

    曽のこゝろざし        この   あべ

らぶればそのこころざしはるかにまされりこのことをあべ


の保 名尓附會  し天芦 屋道 満 といへる狂  言

 や春奈 ふく王以  あしやどうまん    きやう个゛ん

のやすなにふか いしてあしやどうまんといえるきょうげ ん


尓つゞ里しこと阿ま袮く世尓志る所  奈り可ゝ

           よ   ところ

につづりしことあまねくおにしるところなりかか


る奇怪  のことゞもハい尓しへ尓ハ珍 らし可ら須゛と也

 きく王以            めづ

るきか いのことどもはいにしえにはめずらしからず となり


(大意)

(く)らべれば、そのこころざしははるかにまさっている。このことを安倍

保名(あべのやすな)とむすびつけて「芦屋道満」という狂言

にしたてあげたことは広く世に知られていることである。このような

奇怪不思議なことなどは昔には珍しいことではなかったのだ。


(補足)

「満されり」、「みたされり」と読んでいました。「まされり」です。左の行のやや左下に「道満」とやや楷書の「満」があります。

「阿ま袮く世尓志る所奈り」とありますが、知りませなんだ。似たような話はなんとなく読んだような気がするのですが、おもいだせません。

 6ページにわたるながい話でしたが、楽しめるものでした。

 

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