P.44 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
且 今 般 之儀、飯 能 村 江不罷出
かつこんぱんのぎ、はんのうむらへまかりでず
候 而者村 方不残 焼 払 候 趣 二付 、
そうろうてはむらかたのこらずやきはらいそうろうおもむきにつき、
無拠 罷 出候 趣 申之 候 得共 、只 今
よんどころなくまかりでそうろうおもむきもうしそうらえども、ただいま
人 氣騒 立居 、迚 も役 人 共 何 様
ひとけさわぎたちおり、とてもやくにんどもなにさま
取 調 候 而も事実 之儀申 聞 、
とりしらべそうろうてもじじつのぎもうしきき、
(大意)
その上、今回の騒ぎは、飯能村へ押し出さなければ
村すべてを焼き払われそうだとのことでしたので、
仕方なく騒動に加わったようであります。しかしながら、今でも
村民たちは動揺しており、とても村役人たちがどのように
調べようとも事実を聞き出すことは、
(補足)
「今般」、こちらはいつものくずし字ですが、2行あとの行末の「只今」では楷書になってます。
「趣」と次行中程「趣」を比べると、微妙に異なってます。
「無拠」、何度か出てきてます。2文字セットで覚えたほうが読み取りやすいです。
「候得共」の「得」の「彳」のくずし字と「趣」の「走」のくずし字が同じです。漢字どうしの組み合わせや、文章の流れから、読むのがよさそうです。最初の行の「飯能村」の「能」は「触」にも見えますが、上が「飯」とわかっているので、「飯能」とわかります。というかこの場合はもう何度も出てきてるからわかりますが。
「取調」、「取」のくずし字は、「趣」右側と同じです。
「事実」、見事な楷書です。
「聞」、いつもながら特徴的なくずし字です。
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