2019年3月27日水曜日

変事出来二付心得覚記 その132




 P.57 6行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
其 村 方 ゟ 何 人 罷  出、
そのむらかたよりなんにんまかりで、

いまだ何 人 不戻  趣   、早 々
いまだなんにんもどらずおもむき、そうそう

惣 代 ゟ 書 記 し旅 宿
そうだいよりかきしるしたびやど

先 江相 遣  し可申   趣   被仰聞
さきへあいつかわしもうしべくおもむきおおせきかされ

候   二付 、小前 一 同 打 寄 申  渡 し
そうろうにつき、こまえいちどううちよせもうしわたし


(大意)
その村より何人が出かけ
現在何人が戻ってないのか、急いで
惣代は調べて記録し、宿泊先の宿へ
持って来るようにとのことを仰られている
ので、小前全員を寄り集まらせ伝えた。


(補足)
この覚記でもそうですが、古文書を読んでいると次のような点に困惑します。
・書き手が自分の意見、考え、感想を述べているのか、
・誰々がこう言っていたなどの聞き書きなのか、
・誰が誰に向かって言っているのか
これらが混じってくると結構混乱してしまいます。
 
 また、時制がはっきりせず、時間の前後関係も取り違えてしまうとやはり、
頭の中は???だらけになります。
 
 句読点がないのは慣れてくればどうにかなりますが、上記のいくつかの点だけは話の前後関係から類推して判断するしかないので、やはり難しい。

「被仰聞」(おおせきかされ)、似たような表現は頻出ですが、セットで覚えると楽ちんです。
「小前」が2度でてきてます。「前」が特徴的です。
「寄」、「可」のくずし字を書いてから、右隣りへ「、」。これは筆運びのリズムでしょう。
「渡」と「趣」のくずし字がちょっと似てますが、「趣」の方は「取」のくずし字からすぐにわかります。


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