2019年3月17日日曜日

変事出来二付心得覚記 その122




 P.52 5行目〜最後まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
当 月 十  三 日 夜 、何 国  
とうげつじゅうさんにちよる、いずくにの

者 とも面 体  不訳 者 三 人 、当 村 新 組
ものともめんていわからずものさんにん、とうそんしんぐみ

百  姓  紋 次郎 ・豊 五郎 宅 江罷  越 、
ひゃくしょうもんじろう・とよごろうたくへまかりこし、

諸 色 高 直二付 世上  一 統 難 儀 致
しょしきたかねにつきせじょういっとうなんぎにいたり

候   間  、飯 能 町 へ米 穀 直下ケ無心
そうろうあいだ、はんのうまちへべいこくねさげむしん

罷  出候   積  、一 同 可罷出   旨 申  触 、
まかりでそうろうつもり、いちどうまかりでべくむねもうしふれ、


(大意)
当月13日夜、どこに住んでいるのかわからず
見知らぬ者3人が、我々の村の新組の
百姓紋次郎・豊五郎の家へやって来ました。
物価は上がり世の中はどこでも暮らしにくくなってきている
ので、飯能町へ米穀の値下げをお願いに
行くつもりである。皆も一緒に行くのだと言いふらし、


(補足)
 前段の「今晩実正之事申上候」のその実正の内容が、この部分から始まります。

「夜」、ほとんど楷書で、「亠」がちゃんと上部にある。
「何国」、読み方が?。「国」は特徴的。
「不訳者」、「不」がつぶれてにじんでしまっています。
「新組」、行末にくるとどうしても押し込めようとして書くので小さくなってしまいます。この3行先の「無心」もそう。

「罷越」、この「罷」はうっかり筆がすべったか?、3行先の2箇所の「罷出」ではちゃんと書いています。「走」の最後のところは伸びない。
「積」、「禾」はいつもながら、「ノ」がない。
「一同可罷出旨」、この「可」は分かりづらいが、前後のつながりから読む。「旨」も同じ。
「触」、「虫」のくずし字がなんとなく中途半端に感じます。



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