2019年3月29日金曜日

変事出来二付心得覚記 その134




 P.59 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」

(読み)
売 買 畄  り候而者   是 以之
うりかいとどまりそうらいてはこれをもって

難 渋  之次第 、宿  内 迚 も左之通
なんじゅうのしだい、しゅくないとてもさのとおり

困 窮  成 者 及差支二     も、又
こんきゅうなるものさしつかえにおよぶも、また

往 来 も村 々 関 門 ヲ建 、牛  馬ヲ
おうらいもむらむらかんもんをたて、ぎゅうばを

差 畄 候   村 方 も有之  風聞
さしとめそうろうむらかたもこれあるふうぶん


(大意)
売り買いが滞っては、これがまた
困り不便なことになりますし、(飯能)宿内でもそのような
貧乏で生活に困っている者にも影響があります。また
街道では村々がそれぞれに門を建て、牛馬が
往来出来ないようにしているところもあるようだと聞き及びます。


(補足)
 見事な筆使いだとおもいます。墨汁の付け過ぎもにじみもなく、どの字も筆の運びの流れまでよくわかります。

「左之通」、「通」はとても特徴的。形で覚える。
「及差支ニも」、「差」がちょっと?。この2行あとの「差畄」はよくわかります。
読み方は(さしつかえおよぶにも)or(さしつかえにおよぶも)、どちらなのかよくわかりません。

「関門」、門構えが現在と変わりありません。このあとに「風聞」が出てきますが、
こちらの「聞」は原型がありません。「風聞」という熟語として使われるとこのようなくずし字になるのかもしれません。

「建」の旁が「隶」になってます。
「牛馬」、読めますが、「馬」は特徴的。


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