P.50 最初〜5行目まで。「飯能市立博物館所蔵平沼家文書」
(読み)
壱 軒 二付 壱 人宛 出連者゛よし、
いっけんにつきひとりあてでれば よし、
不参之 者 ハ帰 り掛ケに打 毀
まいらずものはかえりがけにうちこわし
又 者焼 払 と申 候 二付 、無餘儀
またはやきはらうともうしそうろうにつき、よぎなく
跡 ゟ 出向 候 趣 申 、松 太郎 ゟ 口 上 、
あとよりでむきそうろうおもむきもうし、まつたろうよりこうじょう、
増 太郎 ・勇 蔵 ・愛 次郎 申 様
ますたろう・ゆうぞう・あいじろうもうすさま
(大意)
一軒につき一人出ればよい、
参加しないものは帰りがけに家を打ち壊す、
または焼き払うというので、仕方なく
後から出かけたようであると松太郎の話の内容であった。
増太郎・勇蔵・愛次郎が言うには
(補足)
「出連者゛与し」、変体仮名が続きます。
「無餘儀」、「餘」の「食」偏が「飯能」とほとんど同じです。
「跡」、難しい。
なぜか「出」は潰れることが多い字です。どうしてなのでしょうか。書き順はきっと、縦棒「l」の次に「ろ」のように筆を運んで最後に右へ「、」。「わ」のような感じでもあります。
下(名栗)の惣代として松太郎が村のものたちを取り調べているので、彼が聞き取った内容を源左衛門が記しているということで、「松太郎ゟ口上」となっているのでしょう。
松太郎が聞き取った内容は、これまでに何度か出てきたものと同じになってます。
「愛」のくずし字ははじめてです。入門古文書小辞典でも調べました。形から覚えるしかなさそうな字です。パッと見た目、「電」・「雲」のような感じ。
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