2025年11月11日火曜日

江漢西遊日記六 その39

P49 東京国立博物館蔵

(読み)

へ一 里黒 宮 發 起して温 泉 場  と春未 タ浴(ヨク)

へいちりくろみやほっきしておんせんじょうとすいまだ  よく


春る人 なし爰 より五六 町  を過 て中 山 と云 処

するひとなしここよりごろくちょうをすぎてなかやまというところ


岩 石 聳  多る處  なり見 物 春帰 りて直  ニ御

がんせきそびえたるところなりけんぶつすかえりてちょくにご


殿 ヘ参 ル夜 ノ八ツ時 尓返 ル

てんへまいるよるのやつどきにかえる


四 日上  天 氣暖 氣四 時 より狩 尓お出之(コレ)

よっかじょうてんきだんきよつどきよりかりにおで  これ


あり予 カ旅 宿 能前 の町 を過キ一 里程 を

ありわれがたびやどのまえのまちをすぎいちりほどを


行 て供(トモ)尓歩(カチ)立 ニて山 深 く入り兎  一 疋 を

ゆきて  とも に  かち だてにてやまぶかくいりうさぎいっぴきを


得ル鹿 三 ツ出个連ど取レ春゛夫 より山 を下

えるしかみっつでけれどとれず それよりやまをくだ


里何 とか云フ里 ニ至 り冨家能商  人 方 を膳 所

りなんとかいうさとにいたりふけのしょうにんかたをぜんしょ


とし爰 ニて昼  食  春夫 よりして亦 向 フ能山 ニ

としここにてちゅうしょくすそれよりしてまたむこうのやまに

(大意)

(補足)

「中山」、『岡山県の吉備の中山にある「天柱岩(てんちゅうがん)」「鏡岩(かがみいわ)」「穴観音(あなかんのん)」「吉備中山岩石群」などの岩石群。これらの岩石は、古くから神座や祭祀の場として信仰されてきた』。

「四日」、寛政1年2月4日 1789年2月28日。

「夜ノ八ツ時」、夜中の2時。ずいぶんと遅くまで、お殿様の御殿にいたようです。

 

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